今回は循環血液量減少性ショックについて。生理前で眠たいよ~
出血性ショックと体液喪失によるショック(熱傷ショック)が含まれるそう。
【出血性ショック】
循環血液量が減少していくということは、心室を充満するだけの体液が減少するということを意味する。この時生体は交感神経を刺激してカテコールアミンの分泌を亢進させて心収縮力増大と心拍数増加、末梢血管の収縮・抵抗増大を図ることで代償しようとする。一方末梢組織では血流量が減じることによって腎血流も低下し、尿量が低下してくる。
出血後しばらくの間は細胞外液が血管内に移動することで循環血液量を代償する。これはヘマトクリット値をみるとよくわかり、組織間液が血管内へ移動すると相対的に低下する。
1L以内の出血であれば循環血流量が低下しても末梢血管を収縮させることで抵抗を上昇させ、血圧は維持される。ショックインデックス1.0で1Lの出血があるとみることができる。
バイタルサインより顔色や会話から得られる情報が多い。眼瞼結膜と顔色の変化をみるようにする。
※吐血の場合は血圧が低下しても嘔吐反射=迷走神経反射により徐脈になることもある。
出血性ショックの治療は輸液・輸血!
細胞外液製剤(乳酸リンゲル液、酢酸リンゲル液)、代用血漿剤(ヘスパンダ―、低分子デキストラン)、輸血投与が行われる。
【体液喪失によるショック】血液濃縮・血管抵抗の上昇が特徴的
代表的なものとして、熱傷ショックがあげられる。
これはいわゆる低用量性ショックで、出血性ショックとの違いは受傷直後に異常な血液濃縮と末梢血管収縮による著しい全身血管抵抗の上昇がみられること。また気道熱傷が併存すると重度の呼吸障害が加わるため、予後は極めて不良になる。
熱傷受傷初期は局所から種々の炎症性メディエーター(ヒスタミンなど)が産生される。そのため損傷部と辺縁組織の毛細血管の透過性は受傷直後から亢進し、血漿成分が血管外へ移行し浮腫が生じる。
Ⅱ度以上の熱傷が広範囲に及ぶとそれらの反応が全身に及ぶ。そして重症化すると熱傷性ショックに陥ることになる。
熱傷ショック治療のカギは大量輸液とその後の利尿にある。
受傷24-48時間後、血管透過性亢進が消退して適正な尿量も得られ、急性腎障害を合併することなくショック期を離脱すると浮腫から大量の非機能的細胞外液がリンパ管を通して循環系に戻り(refilling現象)、大量の利尿が起こる。この時期に急激なrefilling(再分配)が生じると容量過多となり容易に肺うっ血、心不全、肺水腫を合併する。
またショックからの離脱とともに徐々に基礎代謝量が亢進し、心拍出量が増加していく。
次は心原性ショックについて学習してゆくよ。